アマチュア吹奏楽の祭典

こんにちは。心身のアップデートのお手伝い 竹田ユキコです。

もうすぐ、吹奏楽のビッグイベント 全日本吹奏楽コンクールが開催されますね。それとは違った楽しいコンサートが芸術の秋にはたくさん開催されます。中高、大学生さんたちとは違ってベテランさんから若者までほぼ固定メンバーで地道に活動していらっしゃる、いわゆる一般バンドのお話です。

日本一こぢんまりとした鳥取県ですが、
全県のアマチュア吹奏楽団が一堂に会するコンサートは、年に一度のこの鳥取県シティバンドフェスティバルだけ。

ことしももう1週間以上前に開催されました。

一家で参加

私も、今年から以前いた楽団に復帰し、このコンサートに参加することにしていましたところ、
全参加者の中で結成する合同演奏の指揮者としてわたくしの夫が仰せつかり、

くっきー!似wのこの人が夫

それなら、と、東京在住の次男夫婦(アマチュアオーボエ奏者、来月入籍予定)も時々参加の、私も所属のバンドである勝田町一番地寄合楽団に加わり、参加。

鳥取県のオールスターズ!各楽団から参加の合同演奏


一家4人で始めて大きなステージに乗りました。

次男、その婚約者、私、夫

それはそれでとても嬉しく、忘れられない経験でしたが

今回プロデュースしてくださった米子吹奏楽団オールディズの皆々様の夫や私どもへのお心遣いに大変感動いたしました。

40年も同じ高校に勤務し、鳥取県の吹奏楽にとっぷり浸かっている夫と、何かしらの関わりを持ってくださる方は全県にたくさん。
各方面で吹奏楽に多大な貢献を、またご自身も吹奏楽を心の支えに、という方が大勢いらっしゃって、今回もそういう方々と打ち上げで盛り上がりました。

凄いです!アマチュア演奏家

前置きが長くなりましたが、いつも思っていることで、今回改めて素晴らしい!と感激したことをお話しします。

それは、演奏会に参加されたみなさんのことです。

いつも感心しているのは、みなさん本当に熱心にとりくんでいらっしゃることです。殆どの人は中学校や高校で吹奏楽部に所属して吹奏楽や音楽、仲間と一緒に切磋琢磨することを経験してきた人たちだと思います。

その時の経験があるから大人になっても続けようと思うんだと思います。でも学校の時のようなわけにはいきませんよね。

練習時間がなーい!仕事や家庭のことが優先です。なんとか時間をやりくりして準備しなくてはいけません。

練習場所がなーい!大きな音が出る、防音の部屋はない。大きな楽器を収めることができない。いつもカラオケを使うわけにはいきませんし、大型打楽器なら無理。中高生だった頃そんなこと心配して練習したことなかった。いつもそこにいけば練習できた(しないといけなかった)。

教えてくれる人がいなーい!シゴくセンパイからは解放されたけれど、合奏中に音が合わないと言われたけれど、もう少しこういう音にしてと言われたけれど、自分でもどうにかしたい、と思うことがあるけど、どうしたらいいかわかんなーい。

固定化された人間関係の中で楽しくなーい!ことがあるかも。吹奏楽は大好きだけど大人の付き合いは辛いことも。

そんな沢山の なーい! の中で皆さん工夫しながらやりくりしてほんとうによく頑張っていらっしゃる!素晴らしい!いつも尊敬して見ています。私も同じ団員ですが、以前は中学校の指導者でもありましたから時間はともかく演奏する場には恵まれていましたし、今は専用の練習室を持っていますし時間はターーーップリありますので例外です。

ないない尽くしにもかかわらず皆さん本当に熱心!

アレクサンダーテクニークでお手伝い

そんな皆さんに力になれそうな気がします!

アレクサンダーテクニーク教師養成コースに入学する前、同校(ボディチャンス)のグループレッスンコースである、ベーシックコース(音楽)で学んでいました。そこではたくさんのアマチュア演奏家が今自分の楽団で取り組んでいる曲や日頃の演奏上の悩みだけでなく、演奏活動でのメンタルな悩みや緊張についての相談などバンドよろず相談的なグループレッスンが展開されていました。当時は今独立なさって同じようにバンドの皆さんの救世主となっていらっしゃるバジル クリッツァー氏の指導でサクサク、魔法の粉をかけたように一瞬で解決していました。

恩師の一人バジルクリッツァー氏のホルン!レッスンを受けた。

彼のようにサクサク鮮やかにはなりませんが、私もアマチュア奏者のいろんなお悩みにお力になれそうな気がします。

かつてブレス量、疲れ、指、ボリューム、音色など悩み、不満満載だった私が、還暦を過ぎても改善されつつあります(しつこいくらい何度もこのブログで言ってますが)。

多くの中高生が改善していった実績も持っています。

先日少し年配(私より若いよー)のプレイヤーに勧めたら、自分はもう歳です、変わりませんから。長いこともう上達してませんから。とおっしゃった。

そんな人こそ希望が見えてくるはずです。

今が自分史上最高!いつもそう思えるなんて素敵だと思いません?ぜひ私にお手伝いさせてください。

演奏を聴いていただくということ

先月、関西で演奏する機会をいただきました。

このコンサートを終えて、私は『演奏すること』『人に聴いていただくこと』について考え方を大きく変えることになりました。衝撃的事件といってもいいくらいの。

高齢者施設に入所されているご夫婦で、プライベートコンサートを企画した方のお世話でお邪魔いたしました。

甥のテノール歌手、山本耕平 をかわいがってくださる、私の父(彼の祖父)の80年来の友人であるその方のために

92歳の父と甥が、同郷で東京で活躍中のピアニストの 中ノ森めぐみさんを引き連れて、(たまたま二人とも米子市に帰省中でした)関西に向かうというので、運転手を引き受けたのです。

きっと、父が私も音楽をやっていることを話したのでしょう、娘さんもごいっしょなら、少し演奏してください、とお声かけくださり、厚かましくも2曲ほど演奏させていただいたのです。

 

これは中庭の一つですが、それはもう立派な施設で入所者の方々もおそらく華々しい現役生活を終えられたハイソサエティな人々だと思われます。

私は宝くじが当たらない限りご縁のないところです。

施設内で出会うすべての入所者の方は施設内を歩いているだけなのに、きちんとした服装で、アクセサリーもお化粧もヘアもきちんとしていらっしゃいます。

そんな施設内のホールで演奏いたしました。

甥は楽しいトークと、イタリアから持ち帰ったばかりの本格的なオペラアリアやカンツォーネを披露し、大盛り上がりで満足していただきました。

間で休憩がてら、と申し上げてグノーのアベマリアなどをフルートで演奏しました。後で伺ったら、たいそう喜んでいただき、中には涙を流して聞き入ってくださった方もあったと後日ご丁寧なお礼状が届きました。

主催した奥様は

「わたしたちは本物に飢えているんです。もう、そういうものに触れることはかなわないかと思っていました。この施設でも年に何度か、施設側が企画したコンサートがあります。でもほとんどが、旬を過ぎた人たちや、老人だから、と昭和歌謡を歌ってくれるバリトン歌手とか・・・・・。みなさん、本当によろこんできださいましたよ、お礼の電話が私たちの部屋にひきりなしです。」と。

ここにいらっしゃる多くの方は、おそらく一流の演奏家のコンサートに親しんで暮らしてきて来られたり、海外に行っていいものに触れてこられた方々です。お年を召した方というくくりで、こちらの思うイメージで提供することは本当に失礼なことなのだと知ったのです。

 

でも、施設が高級だから、というだけではなく気づいたのです。

人生を長く経験なさった方々は、それぞれにいろいろな豊かな経験を積んでこられた方々です。

それぞれに感性を磨いてこられ、最終ステージに到達されてきた方々なのです。

高齢の方だから、こうだろう、と乏しい想像力で音楽を提供することは罪なこと、私のおごりでもあるのではないか。と思えてきました。

そして、演奏をお客様に聴いていただくとは、どういうことなのかということを考えました。

 

聴く人はそれぞれ違った人生を歩んでいて、その経験の内容も長さもそれぞれです。こちらがこうだろう、と想像すらできないことです。

そして、

豊かで長い時間経験を重ねてきた人も、若く、経験も浅い幼い人も音楽を聴いた時に感じるこころはどんなものか人それぞれなのです。一人一人が自分の受け止め方をするするだけなのです。

演奏する人がそれをたぶん、こういう人だから、こう受け止めるだろう、などと限定することはできないはずなのです。それは奢りかもしれない。

演奏者は真摯な態度で作品から発信される情報を素直に受け止め表現するだけ。こうやったらウケるなどは邪心かもしれない。もっとピュアできちんと作品に向かい、ベストをつくす、そこから聴く人は自分の感性でそれを感じ取る、それだけ。

ああ、もっと、もっとまじめに真剣に音楽に向き合わなくては!

素敵な場所で、素敵なコンサートに参加させていただいただけでなく、私の演奏家として(あつかましいですけど)の考え方をアップデートさせていただくことができた貴重な経験でした。