先日、近所の老人ホームにボランティア演奏に行ってきました。
この日はホームの敬老会。
職員さんの出し物やご長寿の方の表彰などののち、
40分ほど、いつものクラッシックの小品は減らし、
童謡唱歌、昭和歌謡や演歌、70年代ポップスを中心に演奏しました。
この施設の介護職員で2年前から私の教室でフルートを始められたOさんが企画して私を招いてくださったのでした。
Oさんはそれまで学校以外で音楽を学んだことはなく、当然フルートも初心者でした。
彼女は私のところにいらっしゃったばかりのころ、ためらいながらこうおっしゃいました。
「私、音楽は好きですけど、楽譜も読めませんし、演奏の経験は全くありません。でも、フルートの演奏ができたら素敵だな、って思って。
童謡や唱歌などを勤務先の入所者の皆さんに聞いていただいて、喜んでもらえるようになりたいなって、思っているんです。無理でしょうか?」
と、夢を語ってくださいました。
「フルートでシニアのみなさんの夢を叶えるお手伝いをする」が私の教室Libertaのコンセプト。
まさに、こういう方をお待ちしていました!!
それからのOさんは1か月何度来ても定額、のレッスン形態を選択され、夜勤などもある、お忙しいお仕事の合間に練習をして、足しげくレッスンに通ってくださいました。
あんまり家では練習できなくて…と、心配そうにしていらっしゃったのですが、幸いわたくしにはたっぷり時間がありますので、
「いいんですよ、私の時間が空いていればここで練習すればいいですから、どうぞ遠慮なく来てください」と言いました。
ご主人のご理解や、遠方にお住いのご高齢の親御さんも応援なさっているとのこと。
そして一番素晴らしいのは、ご本人が夢、望みを持っていらっしゃること。
ゆっくりですが着実に力をつけられ、曲を演奏することを楽しめるまでになりました。
目標は、本番を想定して
「ふるさと」が皆さんの前で演奏できるようにすること。
そのために今はどういう練習をするか、をその段階に応じて組み立てていきました。
ペットボトルの口をほーっと鳴らす練習から初めて2年間。
そして、私のプログラムの前に演奏していただきました!
夢がかなう瞬間です。
当のOさんは、音が出たり出なかったりで、いつもの実力は発揮できなかったとのことでしたが、聴衆の一体感といいますか、演奏者がなじみの介護職員ということで温かいまなざしで見守る雰囲気とか、一緒に歌って楽しんでいらっしゃる様子がうらやましく、とても印象に残りました。
Oさんにとってはこの経験は今後の励みにもなることでしょうし、きっと次の夢へ向かって頑張られることでしょう。
大人のフルート愛好家の夢の実現へのお手伝いを 今後も続けていきたいと強く思った敬老の日でした。
アレクサンダーテクニーク教師目指して勉強中のわたくし、ボディシンキングコーチの資格を取得しましたので、フルートのレッスンにも大いに活かしています。
演奏に役立つ身体の使い方の工夫はもちろんのこと、身体の不調(腰痛、肩こり、背中の張り、膝痛、のどの不調など)や呼吸の改善など、自分の実体験や多くの実例をもとにしたアドバイスは多くの方に喜んでいただいています。
お問い合わせは
otonafl.liberta@gmail.com 竹田ユキコへ