管楽器奏者必携の品
中高生吹奏楽部員の生徒さんたちも皆さんお持ちの品といったら
コレ!
私の愛用品なのでちょっと型式が古いかも
このチューナーの
全く想像もできない使用法が一部の強豪校と言われている学校で話題になっています!
それは
チューナーを股に挟んで吹くと
よく鳴る!吹きやすい!
また、また、あるある伝説ウ~
なわけないでしょ、と頭ごなしに否定しかけましたが、じっざい、吹き比べで見ましたところ・・・・
実際 ほんとに よく鳴る!吹きやすい!
特にわかりやすいのは低音域です。これは無視できません。
アレクサンダーテクニークを学んでいるわたくし、
身体の使い方のコーチ資格を取ったわたくしがこれを解明しないわけにはいきません。
本番で股に挟むわけにはいきませんし、立奏でもこの状態が保たれているといいですからね。
そこで、BodyChance(アレクサンダーテクニークの学校)指導者養成コースで先生や仲間たちと探求してみました。
股にチューナーを挟むという動作は太ももの内側の筋肉を使って(内転という動きです)いるのですが、
その動きをもたらす筋肉たちは
これらの筋肉をスポーツ選手並みに鍛えればもっといい音が得られるか、
より楽に音が出せるか、
というとそんなことはありません。
なぜなら 頑張ってたくさんの力を使ってこの筋肉たちを働かせているわけではないから。
ここの筋トレは必要ないようです(笑)。
一見、管楽器の演奏に関係なさそうな太ももの内側の筋肉をちょっと働かせただけでなぜいい音になったり、楽に音が出るのでしょうか。
それはどうも、これらの筋肉たちの付け根(起始)が
骨盤の下側、つまり 股関節周辺 に始まっていることに関係がありそうです。
この辺りは自分で触ることも感じることもできない部分で、腕、足、指などの筋肉と違って使っている感覚も得にくいところです。
そもそも、筋肉は腱や膜で骨とつながています。
AとBは関節でつながる別の骨にくっついています。
筋肉がぎゅっと縮まるとABの距離が縮められ、二つの骨が近づく、つまり、曲がったりひねられたりします。
この場合は太ももが内側に行き、チューナーを挟みます。
そして、この時、A(またはB)の部分に近い、股関節周辺のほかの筋肉たちも働くのでは
つまり、音を出す(息を吐く)のに大切な働きをする
骨盤底筋群がいっしょに働くのではないでしょうか
文字通り、骨盤に守られたおなかの底にある筋肉たちで、
最近尿漏れなどの筋肉の老化に伴う諸症状改善のために、鍛えましょう、とよく耳にする
あの筋肉です。
筋感覚がないため、どうやって動かせるのかわかりにくいインナーマッスルですが
ここをうまく使えるようになると格段に音が豊かになるような気がします。
それらの筋肉を使えるようにするためにチューナーの助けがあると便利なのかな、と想像します。
もっと明快なご意見をお持ちの方
教えてやってください。
ちなみにアレクサンダーテクニークの世界では
モンキー
と言って背中を伸ばして広くし、背中に負担のないお猿さんのような状態を得る方法があります。
この方法でフルートを吹いてみましたところ
股チューナーと同じように、というかそれ以上に骨盤底筋群を使っているであろう効果が得られました。
あくまでもわたくし個人の感想ですが。
股チューナーもモンキーも
私にとっては
骨盤底筋群を呼気の際にうまく使う道しるべなのです。
どちらも現実的な姿勢ではありませんが、探求するきっかけにはなりました。
若い時のように、がむしゃらに手あたり次第筋肉を使い勢いで吹くことはもうできません。
筋肉の老化が演奏力の低下につながるのではないかと不安に思っていましたが、
今、このような探求を続けていると、
本当に演奏に必要な身体の使い方を再考することが 年齢を気にせず、上達を求めていくエネルギーになっていく、と気づきました。
私と一緒に素敵な演奏を求めて
身体の使い方を再考したいとお考えのすべての管楽器奏者の方はご連絡ください。
otonafl.liberta@gmail.com 竹田ユキコ